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ビルトインガレージ付き注文住宅で気をつけたいポイントとは?間取り例をふまえて解説!

新築を検討されていて、車やバイクが好きな方やアウトドアな趣味がある方は『ビルトインガレージがあるお家を建てたい!』考えることもあるのではないでしょうか?
ビルトインガレージがあると、愛車をお手入れすることができるスペースが作れますし、風雨や盗難対策にもなります。
さらに、お子様がいる家庭ではお庭で遊んでいるときに車を傷つけられたという事故も防いでくれます。
ビルトインガレージがついているお家のイメージとして、「敷地が広い土地にしか建てられないのでは?」と思われることも多いですが、狭小地にもおすすめの配置もありますので是非検討してみてください!
今回は後悔のないビルトインガレージを計画するためのメリット・デメリットや、間取りをご紹介していきます。
ビルトインガレージとは?基本的な役割
ビルトインガレージとは、建物内にガレージを取り入れて駐車場と家の動線を繋げたガレージハウスのことを言います。
ビルトインガレージがあると、車の他にもバイクや自転車などの乗り物をまとめて入れることができたり、雨が降っていても濡れずに車からお家に入ることができるので、アクティブな趣味がある方や、お子様やご年配のご家族がいるご家庭にも人気のアイディアです。
注文住宅にビルトインガレージを採用するメリット
〇狭い土地でも駐車場を確保できる
立地条件のいいところや街の中心部に位置する土地の場合、敷地面積がコンパクトなことが多くあります。このような場合には、1階部分がガレージ、2階部分を居住空間として使うことができるビルトインガレージは、駐車スペースの確保に悩まず敷地を有効活用することができます。
〇雨の日でも快適な駐車・荷物運びができる
ビルトインガレージの魅力は、建物との動線を確保できるところです。
新潟は天候が悪い日が多く、冬には積雪もあります。天候に左右されずスムーズに駐車ができ、さらにお子様の乗り降りや荷下ろしなどが直接建物の中で行えるのでとても便利です。
〇車を風雨や盗難から守れる
住宅内部にあるビルトインガレージは、風が強い日の飛散物から車を守ることができます。また、外に置く駐車場よりも防犯性が高いので外部からの侵入もしづらく安心して過ごすことができます。
〇趣味のスペースとしての活用ができる
ガレージは駐車や収納をするだけでなく、趣味のスペースとしても注目されています。
ある程度の広さが確保できていれば、車やアウトドアグッズのお手入れする場所としても活用できますし、友人を招いてバーベキューをしたり日差しが強いときの子供の遊び場として使うこともできます。
建物と繋がっていることでガレージも1つの趣味部屋として使えるので、お家時間を楽しむことができますね。
ビルトインガレージの後悔した事例と対策
〇車の大きさが制限されてしまった。
ビルトインガレージを設置する際は、計画段階で乗っている車をベースに考えてしまうと後々乗り換える車のサイズが制限されてしまう場合があります。
・家族の人数(将来的な人数も含め)
・家族が増えてコンパクトカーからファミリーカーへ買い替えする可能性があるのか
このようなイメージをもって最初から余裕を持ったスペースを確保することをおすすめします。
駐車できるスペースだけではなく、ドアを開けるときにぶつかることはないか、収納スペースが確保できているかも併せて検討しましょう。
〇エンジン音やシャッター音がうるさかった
ビルトインガレージは、家の中に車があるためシャッターの開閉音やエンジン音が居住空間まで響いてしまう可能性があります。
その為、小さなお子様や年配の方と同居されているご家族は寝室をガレージ付近や上部に位置しないようにするなど配慮をした計画をしましょう。
間取りの工夫として、水回りが隣接していると騒音が室内まで影響しにくくなります。
〇費用が想像以上にかかった
ガレージ部分を広く取るとそもそも家自体の建築面積が増えるのでコストアップしますが、それに加え柱や壁が少ないつくりにすると耐震性や耐久性を強化するための構造に費用が掛かります。
電動シャッターや窓、センサー照明をつけるなど仕様の部分にもこだわると、予定よりもコストがかかってしまうことが考えられます。
せっかくガレージをつけるのであればある程度余裕を持った広さが確保できていると良いですが、必要以上に広くスペースをとってしまったり機能性を持たせすぎると予算オーバーになってしまう可能性があります。
ビルトインガレージ設計のコツ
〇外観との調和を考える
ビルトインガレージは存在感がありますので、外観の印象に大きく影響します。
ガレージ部分だけが浮いてしまうとかっこ悪い印象になってしまう為、外壁の色使いを工夫すると良いでしょう。
・1階部分と2階部分で色を張り分ける
・全体を同色で統一する
など家全体の調和がとれるような配色にするとバランスの取れた外観になります。
〇収納スペースを作る
車やバイク、自転車などの乗り物だけでなくアウトドア用品やお庭の道具など外で使う物を収納できるスペースを作ると、家の中の玄関回りをすっきりと使うことができるのでおすすめです。収納スペースが確保できるゆとりのある設計が必要です。
〇換気がしっかりできるように工夫をする。
ありがちなトラブルの1つに、排気ガスがガレージ内に充満してしまうということが上げられます。ガスの臭気が居住スペースまで漂ってきてしまわないように、ガレージ内には小窓や排気口を設けるようにしましょう。ガレージの広さに合わせて大型の換気扇を設置するなどの工夫も必要です。
勝手口などを設けると換気もできますし、シャッター以外からの出入りも簡単にできるので便利です。
〇内装は手入れしやすい素材にする
排気ガス、オイル、土汚れなど外で使用するものが入るので様々な汚れが発生します。
そのため内装材は汚れに強く手入れがしやすいものを選ぶと良いでしょう。
床材は耐久性が高くお掃除もしやすいコンクリートが一般的に使用されることが多く、壁や天井には汚れが気になりにくい合板仕上げなどがおすすめです。
〇耐震性を強化する
2台用のガレージは間口を広く取る必要があります。間口が広いと車の出し入れがしやすく、快適に使うことができますが、耐震性が下がってしまう為注意が必要です。
開口を広くとる場合、ガレージ内の邪魔にならないところに袖壁を設け、柱を立てなければいけないことも考えられます。
ガレージの上に2階部分が乗っているかも耐震性をチェックする際の重要なポイントですので、間取りと合わせて設計や構造の工夫で対策をしましょう。
動線・間取りの工夫を紹介
〇車から降りてからの動線を意識する
せっかくビルトインガレージをつけるなら、お家の中へ繋がる動線で重視したいポイントをいくつかご紹介します。
・ガレージから玄関に直結している動線
一番スタンダードで日常使いがしやすく子育てに便利な動線です。
・ガレージから近い位置に階段を配置する
2階リビングの場合は、できるだけガレージから近い動線で2階へ上がることができると便利な生活動線になります。
・ガレージからパントリーに直結している動線
ガレージからパントリーに直結していると、買い物をしてきたものをそのまま収納することができるのでとても便利です。
・ガレージから水まわりに直結している動線
車やバイクの手入れやアウトドアな趣味が多い方は、すぐに水まわりに行くことができて家の中に汚れを持ち込まずに済むのでおすすめです。
水まわりとガレージをセットにしておくと居室への騒音も軽減されるメリットもあります。
このように、居住スペースの間取りに合わせて動線の確保ができていて、ライフスタイルに合ったビルトインガレージと居住スペースのつながりを考えられると、より使い勝手が良くなります。
〇リビングを2階にして風通しと日当たりを確保、窓や採光の工夫
面積がコンパクトな土地や密集した住宅街でガレージをつけると、1階の居住スペースがコンパクトになってしまいます。さらに日当たりや風通しが悪くなってしまう場合があります。
その場合、リビングは2階に配置をすると広さを確保できるだけではなく、日当たりや風通しも良くなり快適性がアップします。
さらに通行人や隣地などの目線を気にせず使うこともできますし、リビングの延長に広めのバルコニーを設けると楽しめる幅が広がります。
〇ガレージの後ろに水まわりをレイアウトする
浴室や洗濯室といった水まわりも騒音が発生しやすい場所です。
騒音が気になる場合は、寝室など静かにしたいスペースはガレージ付近に置かず、水まわりを隣接させてレイアウトすると暮らしやすさを感じられるのでおすすめです。
〇ガレージを1つの部屋として間取りを考える
・大切な愛車を家の中から眺められるように居室とつながる部分に窓をつける
・ガレージとつながった趣味の部屋を作る
・アウトドア用品や車やバイク関連グッズを壁面全体に見せる収納として使う
このようなアイディアでガレージを1つの部屋として楽しむのはいかがでしょうか?
家の中からも気軽に使えるガレージ空間にすると楽しめそうです。
ビルトインガレージ付き注文住宅の費用と相場
〇設置する際の費用目安
構造費用だけでなく、シャッターや電気工事などの仕様により費用に差はありますがビルトインガレージの建築費用相場は一般的な乗用車1台用で200万円~300万円ほどが相場になります。
また、換気システムや防音対策に加え、寒冷地では断熱性能を高める工夫も併せて検討するとよいでしょう。
〇メンテナンス費用
ビルトインガレージの建設後にかかる費用項目として主に以下の2つが考えられます。
・固定資産税
ガレージが家屋部分の20%未満であれば固定資産税が発生しませんが、20%を超えた場合は固定資産税の対象となります。
・メンテナンス費用
メンテナンス費用には空調やガレージの清掃費用、シャッターの点検や修理が主にかかってきます。
建てる時に耐久性の高い建材を選ぶことで将来のメンテナンス費用を抑えられることもあります。
まとめ
ビルトインガレージは愛車を守ってくれるだけでなく、日々の生活を豊かにしてくれる要素もあります。
ビルトインガレージがついているお家のイメージとして、「敷地が広い土地にしか建てられないのでは?」と思われることも多いですが、駐車スペースに困る狭小地にもおすすめの設計です。
郊外の広い面積の土地でも敷地を有効活用することができ、利便性の高さを感じられるので人気の間取りです。
メリットがある一方で、音やコストの面などのデメリットと感じられる点もあります。
住宅の一部となると簡単に作り直すことができないので、設計の段階で家族構成やライフスタイルに合わせた計画を立てることが重要ですね。
是非今回ご紹介したポイントを参考に理想のビルトインガレージがあるお家を叶えてください!